尼崎ゆかりの抽象画家

白髪一雄記念室

過去の企画展(2013年)

「白髪一雄 ―描画の流儀―」

(2013年11月2日~2013年12月1日)

 白髪一雄は、天井から吊り下げたロープにつかまり、床に置いたキャンバスに油絵の具をのせてその上を素足によって描くという独創的なアクション・ペインティングによって、世界的に高い評価を受けました。絵の中に自ら入り込み格闘することによって生まれるエネルギーに満ちた作品は、観るものを圧倒すると同時に深い精神性を感じさせます。
 白髪は1924(大正13)年、尼崎市に生まれました。新しい絵画表現を模索している30歳の頃に足で描くことを試み、それは前衛芸術グループ「具体美術協会」に入会して活動する中で白髪独自の描法として確立していきました。そして、2008年(平成20)年に亡くなるまで、アクション・ペインティングの道を一途に歩み続けたのです。
 尼崎市総合文化センターでは、尼崎市の協力のもと、平成20年度より『郷土画家「白髪一雄」作品整備・発信事業』を立ち上げ、作品の調査や展覧会の実施、作品の修復、小学校への出前授業など、様々な活動を通して白髪一雄の画業を紹介することに努めてまいりました。そしてこの度、尼崎市所蔵の作品と資料を公開し、より多くの方に白髪の芸術と人物の魅力を身近に感じていただけるよう、当センター内に白髪一雄記念室を開設いたしました。
 本展はこれを記念して開催するもので、作品とともに画材道具など関連資料を展示し、白髪の独創的な描画方法が生み出された経緯や作品の変遷をご紹介します。
本展では、白髪が絵筆で描くことから離れアクション・ペインティングに移行する時期からの作品をご紹介しますが、それ以前に描かれた初期の貴重な作品を記念室で公開します。併せてご高覧ください。
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