ホーム > 近松のまち・あまがさき > 近松賞 > お知らせ
2011/5/6(金)
尼崎市・尼崎市総合文化センター・兵庫県立尼崎青少年創造劇場 共催事業
兵庫県立ピッコロ劇団 第40回公演
尼崎市・(財)尼崎市総合文化センター・兵庫県立尼崎青少年創造劇場 共催事業
「近松のまち・あまがさき」をテーマに文化振興に努めてきた尼崎市と、平成20年度から近松関連事業を実施している財団法人尼崎市総合文化センター、そして尼崎に拠点を置く公共劇団の先駆者である兵庫県立ピッコロ劇団の三者共同でひとつの舞台を創ります。
財団法人、県、市による共同で事業を立ち上げることは全国的にも珍しく、同一市内で文化・芸術の振興を担う団体が、垣根を、越えて連携する今回の公演に大きな期待が寄せられています。
[近松賞関連の情報]
【あらすじ】 |
---|
尼崎の北の突き当たりの市営団地に住む平凡な妻・井上晴子が消えた。 同日、近所のコンビニには女の強盗が入ったらしい。 そのコンビニのパート主婦・林里美の夫もまた突如消えたという-----。 縫製の内職をしていた晴子のミシンからは、林家の窓が見える。 林の夫の書斎に点る灯までよく見える。 晴子のミシン机の灯も毎夜点っていた。 そのふたつはまるで呼応する螢の光のように瞬いて-。 |
角ひろみ 作 ・ 深津篤史 演出
|
「螢の光」
|
公演概要
|
◆とき
2011年6月3日(金)~8日(水) ※6日休演
6月 | 3日(金) | 4日(土) | 5日(日) | 6日(月) | 7日(火) | 8日(水) |
---|---|---|---|---|---|---|
14:00 | ― | ◯ | ◯ | 休演 | ◯ | ◯ |
19:00 | ◯ | ― | ― | 休演 | ◯ | ― |
公演は終了いたしました。
◆会場
ピッコロシアター 大ホール [公式Webサイト]
◆入場料
指定席 | 一般 | メイト |
---|---|---|
一般 | 3,500 | 3,150 |
大学・専門学校生 | 2,500 | ― |
高校生以下 | 2,000 | ― |
メイト優先 3月17日(木)
一般発売 3月23日(木)
◆プレイガイド
総合文化センタープレイガイド TEL:06-6487-0810
◆お問い合わせ先
財団法人尼崎市総合文化センター 事業担当 TEL:06-6487-0810
兵庫県立ピッコロ劇団 TEL:06-6426-8088
尼崎市環境市民局ちかまつ・文化・まち情報課 TEL:06-6489-6385
◆スタッフ
作 | 角 ひろみ |
---|---|
演出 | 深津篤史 |
美術 | 池田ともゆき |
照明 | 吉本有輝子 |
音響 | Alain Nouveau |
衣裳 | 亀井妙子 |
舞台監督 | 鈴木田竜二 |
◆キャスト
岡田力(井上勉) | 木全晶子(井上晴子) | 保(平田健介) |
杏華(小坂鈴子) Wキャスト |
道幸千紗(小坂鈴子) Wキャスト |
亀井妙子(林里美) |
●岩松了 (劇作家・演出家・俳優 兵庫県立ピッコロ劇団代表)
『事実から遠ざかろうとする欲求』
団地という画一化された家の中に住む人間の、解放への願望のドラマだ。ただそれが屈折せざるをえないところに、この作品の面白味、特質があり、それはつまり団地というもののもつ面白味であり、特質であると作者はみたのだろう。ソーメンのレシピで終わるという終わり方が象徴するように、およそ劇的とは思えぬ事柄が、生活の無気力を何かにつなぎとめる切実な問題となる。苛立たしさを苛立たしく感じることなく、いわば受け入れて見事に世間からはぐれてゆく。
●栗山民也 (演出家 新国立劇場演劇前芸術監督)
『風景が見え、温度が伝わってきた』
読み進めていくうちに人物から細部の小道具までが、可笑しな日常の風景としてぐんぐんと見えてきました。そして、初夏のむっと汗ばむ温度や湿度までが伝わってきました。ゾクゾクするほどに屈折を続ける感情の描写が、劇を前へ前へと動かしていくのです。その流れにまんまと乗せられてしまったのでしょうか、ちょっと固ゆでのソーメンを食べたときのような、妙にさわやかな読後感でした。
●別役実 (劇作家 前兵庫県立ピッコロ劇団代表)
『現代劇の現代性を推す』
特筆すべきことを挙げれば、方言が上手く使われている、という点であろう。 - 中略 - 「尼崎」という所は、方言的には混在地区であり、ピッコロ劇団の創始者である故・秋浜悟史氏は、これをこのまま「尼弁」として定着させようとしたが、この作品はまさしくその意を汲むものと言える。その意味でもこの作品は、意義あるものなのである。
●宮田慶子 (演出家 劇団青年座 新国立劇場演劇芸術監督)
『劇作の居どころ』
「尼崎の北の突き当たりの市営団地」という地域性にこだわりながら、それ以外の土地がボンヤリとかすみ、まるでそこが、世界の中心であり、孤立しているかのように錯覚させてくれる。そこにだけ、やるせない濃密な空気が満たされているのだが、それはそのまま、身動きのとれない閉塞感に包まれた、この世界そのものに思える。ミシンの内職で縫っているのが「犬の服」であったり、晴子と林をつないだものが、怪しげな「ペットボトルのおいしい水」であるという設定が、この閉じられた団地と世の中を相対化している意味で秀逸である。
●水落潔 (演出評論家 毎日新聞客員編集委員)
『現代人の心の闇を描く』
劇の背後に隠されているコンビニ強盗事件や鈴子の抱える不安などが現代社会の秘めている不気味さを巧みに浮き彫りにしている。